どうも皆さま。こんにちは。こんばんは。
渋沢です。
Web系フリーランス歴が4年目になりましたが、これからフリーランスを目指す方に「モンスタークライアント」についてよく聞かれることがあります。
特に多いのは、
「モンスタークライアントの見分け方を教えて欲しい…」
「モンスタークライアントからの依頼も、仕事ないときは請けるしかないのかな…」
こういった悩みが多いですね。
フリーランスたちがモンスタークライアントからの依頼を断れば、業界が良くなります。
ただ、駆け出し時期だと経験も薄いので、モンスターの見分け方が分からず、なんでも引き受けようとしてしまうと思います。
なので、今回はWeb系フリーランスを目指している方、駆け出しフリーランスの方向けに、
- モンスタークライアントからの依頼を断れば、業界が良くなる根拠
- 避けるべきモンスタークライアントの特徴
上記について解説します。
本記事を書くわたしは、クライアントとトラブルになったことはほとんどないです(ほとんどないというより、トラブルになりそうな人は避けています)。
自分の過去の経験や、フリーランス仲間から聞いた話をもとに記事を書きますので、参考にしていただければと思います。
避けるべきモンスタークライアントは、「ただの下請け扱いする人間たち」です

断言しますが、クリエイター(エンジニアやデザイナー)を「ただの下請け業者」と考えて、無理な要求ばかりする企業やクライアントは避けるべき。
無理な要求ばかりする人たちのことを一般的には「モンスタークライアント」と言いますが、そういうタイプの企業やクライアントからの要望を飲み込むのは消耗するだけなので、やめたほうがいいですよ。
ここ10年、20年の間にYouTuberやブロガーといった職業ができて個人で稼ぐ人も増えていますが、同時に個人の能力も明確に分かる時代なので、下記のような流れになっていると思います。
優秀なクリエイターに仕事が集中
↓
仕事が増えた優秀なクリエイターたちがクライアントを選び始める
↓
モンスタークライアントは「悪質な業者」や「優秀ではないクリエイター」にしか依頼できなくなる
↓
クリエイターとうまく協力する企業は成長し、下請け扱いしかできない企業は徐々に衰退
↓
モンスタークライアント(企業)は淘汰されていく
上記のとおりでして、モンスタークライアントは放っておけば勝手に淘汰されるので、クリエイターは慎重にクライアントを選ぶべきですよ。
クリエイター側が責任を持って取り組むのは当たり前ですが、クライアント側もビジネスパートナーとしての協力姿勢が求められます。
では、具体的にどんなタイプが協力姿勢のないモンスターなのか解説していこうと思います。
モンスタークライアントの5つの特徴

今回は、5つのタイプにまとめました。
- とにかく「上から目線」が止まらない
- 「時間」「締切」を守らない(遅い)
- 予算以上のクオリティを求めてくる
- 「とりあえず」という言葉をやたら使う
- コミュニケーションコストが異常にかかる
上記のとおりでして、ひとつずつ深堀りします。
とにかく「上から目線」が止まらない
当たり前ですが、明らかに「言葉遣い」や「態度」が悪いクライアントと仕事してもロクなことにならないと思います。
2つほど例を挙げます。
よくあるパターン1
クライアント:これならすぐ終わるよね?
クリエイター:そうですね(これまでの経験があるから早いんですけどね…)
よくあるパターン2
クライアント:至急よろしく
クリエイター:はい(いつも大して緊急じゃないでしょ…)
残念ながらこういったタイプは、おそらく日常の中で癖になっていて、「自分で気づけない」人たちです。
飲食店の店員に偉そうな態度で接するタイプを想像してもらえば分かると思いますが、他人に指摘されてもおそらく直さないですよね。
Web業界ではよく聞く話ですが、「大手企業」が「Web系企業」に対して上から目線で指示していたり、無茶な要求をしていると、狭い業界なので噂になります。
「あの企業は態度が悪くて有名」とかレッテルを貼られる可能性もあるわけです。
過去にわたしが務めた企業では、超有名大手企業との取引が複数あったのですが、そのなかで「担当者やその上司の態度が異常に悪い」と感じた取引先が1社だけありました。
その企業は「ブラック」で有名だったので(社名を聞けば、ほとんどの人が納得するレベル)、やはり社員の態度にも出るんだなと改めて感じましたね…
上から目線な態度が止まらない企業は、そのうち潰れるので、基本断るべき。
「時間」「締切」を守らない、とにかく遅い
打ち合わせの時間や、原稿・素材の提出締切日を守ろうとしないモンスタークライアントがたまにいます。
電車遅延や、やむを得ない事情なら構いませんが、毎回のように時間を守らないのであれば、人の時間を奪っている自覚がないのでしょう。
締切日を過ぎているのに「納期は譲らない(延長しない)」クライアントもいるので、「遅れた分は納期も延長します」と事前に伝えておいたほうがいいですよ。
時間を守らないわけではありませんが、返事が遅いクライアントもいます。
考えられる原因は、下記のとおり。
- 本業が繁忙期
- 担当者がサボっている
- 社内の調整に時間がかかりすぎている
上記に当てはまることが多いです。
返事が遅いと工期もどんどん長引くので、
- 入金が遅れ、売上が立たない
- お互いが内容をもう一度確認し合う(→二度手間)
- レンタルサーバーの期限が切れる
などの問題、影響が出てきてしまいます。
「時間や締切を守らない」「とにかく遅い」クライアントと仕事する場合の解決策は、「期限」を決めることです。
- 「原稿・素材の提出期限は、〇月〇日まで(※提出が遅れた分、納期は延長)」
- 「工期は〇ヶ月(※〇ヶ月を超える場合は、別途プロジェクト管理・進行管理費用が必要)」
上記のように、あらかじめ説明しておいたほうが後々困らなくて済みます。
「管理費」を稼ぎたいという思惑があるわけではなく、「ビジネスはスピード感を持って、やりましょう」という意味も込めて、クライアントにも時間を守るようにしていただいたほうがお互いにとって良いですよね。
予算以上のクオリティを求めてくる
個人的に一番大変だと思うのが、「予算を大幅に超えるクオリティ(質)を求めてくる」クライアントですね。
「なぜこの価格なのか」を丁寧に説明して分かっていただけるクライアントもいれば、そうではないクライアント(→モンスター)がいます。
もちろんできるだけクオリティの高い成果物をつくりたいのは、クリエイター側も、クライアント側も、同じ気持ちです。
とはいえ、クライアントの予算が20万円くらいにも関わらず、100万円のクオリティを求められると、ビジネスとして活動しているクリエイターが苦しくなってしまいますよね。
わたしがWebサイト制作案件を受託するときに、よく伝えるのが下記です。
「Web業界の費用は基本的に作業の量に対して発生するため、制作費内で想定している作業を超える部分については別途費用でのご対応となります」
上記を伝えておくようにしています。
デザインは、人によって「かっこいい」「オシャレ」「かわいい」がそれぞれ違うので、「修正回数は〇〇回まで」と伝えておくことも大切。
もちろん修正はないほうがいいので、事前に入念なヒアリングをし、サンプル(参考サイト)をいくつか提案して、イメージをすりあわせる必要があります。
低予算なのに「大手企業のサイトと同じような仕様にしてほしい」という要望を頂いた場合は、
- 高品質な写真や動画を撮影できる「カメラマン」
- 高品質な「動画クリエイター」
- 伝わる文章が書ける「ライター」
- 素敵なコピーを提案できる「コピーライター」
- 素敵なブランドロゴを提案できる「クリエイティブディレクター」
など
上記のような優秀な人材を手配する必要があると伝えるのもアリ。
優秀な人材を外部から手配することで、その分クオリティが上がりますが、同時に制作費も上がることを理解してもらえるでしょう。
「とりあえず」という言葉をやたら使う
- とりあえずつくってみて
- とりあえず会って話しましょう
- とりあえず電話しましょう
- とりあえず見積もり送ってください
- デザインはとりあえずプロの方にすべてお任せします
上記のように「とりあえず」と言いがちなタイプは、高確率でモンスタークライアントです。
受託案件でよくあるのが、「とりあえずデザイン2パターン用意できますか?」と相談を受けたときは、
「用意は可能です。2パターン作成する場合は1ページ追加分の工数がかかりますので、恐れ入りますが別途費用とさせていただいております。いかがでしょうか?」
といった感じで確認を取っておくといいです。
「イメージが湧かない」と言われた場合は、参考サイトを3つくらいピックアップして、「3つのサイトなかでのイメージに近いものはありますでしょうか?」と聞く方法もあります。
コミュニケーションコストが異常にかかる
多くのクリエイターは言われた経験があると思いますが、「とりあえず会って話しましょう」タイプもけっこうモンスタークライアントの可能性が高いです。
会わなくてもわかることを「会って話す」のは、かなり効率悪いですよね。
もちろん対面のコミュニケーションをすべて否定するつもりはありませんが、「とりあえず会う = ムダな時間になる可能性は高い」と思っておいたほうがいいと思います。
「いちいち会って話さないと決められない」、「いちいち電話しないと伝えられない」タイプのクライアントと仕事すると、コミュニケーションコストばかりかかってしまいます…
なかにはチャットやメールが嫌いなクライアントもいるので、できるだけクライアントに合わせたいところですが、口頭(電話や対面)で打ち合わせを行うと、記録が残らないうえに、決まったことをひっくり返される可能性があるので注意しましょう。
記録が残っていないことで、「言った・言ってない」「伝えた・聞いてない」問題に発展することがよくありますからね…
仮に打ち合わせをするなら、打ち合わせ後にすぐに議事録(日付と決定事項を含める)を送って、決まったことを共有しておけば、トラブルを避けられます。
※電話や打ち合わせだと、議事録をつくる時間がもったいないの、できるだけ減らすべき…
- 会いたがる
- 電話したがる
- 面倒くさがる
こういったタイプは基本的に避けたほうがコミュニケーションコストをかけずに済みますよ。
ムダなコミュニケーションになりがちな打ち合わせの対策方法を、下記の記事で解説していますので、参考にどうぞ。
まとめ:目先の利益ばかり考えると、消耗するだけ。余裕を持とう

モンスタークライアントを避けるためには経験も必要ですが、相手に「協力を呼びかけること」「事前に伝えるべきものは伝えること」が大切です。
「良いものを作りたいという想いは、私も〇〇様も同じなので、協力して作り上げましょう」といったことを心から伝えることも必要だと思っています。
お互いモチベーションを高く持ち、気持ちよく仕事をしたいですからね。
フリーランスとして活動するなら、売上が立たなければ、苦しくなります。
とはいえ、目先の利益ばかり求めてクライアントを選ばなければ、モンスタークライアントと仕事をするしかなくなるでしょう。
それだけではなく、目先の利益ばかりを追い求めすぎると、信用も失いやすいです。
- このクリエイターは、自分の利益しか考えてないな
- このクリエイターは、騙そうとしているな
- このクリエイターは、なんか信用できないな
上記のように警戒され、失注する可能性も高まります。
信用を失うと、モンスタークライアントから仕事を請けるしかなくなるので、どんどん消耗してしまいます。
最悪なパターンに陥らないためにも、常に余裕を持って、仕事をすることが大切です。
ストレスを溜めないためにも、モンスタークライアントは捨てても構いません。
モンスタークライアントと仕事をするくらいなら、新しいビジネスパートナーと出会う機会をつくり出し、期待された以上のものを提供して、信頼関係を強化することを考えたほうがフリーランスとして生きやすいと思います。
というわけで、今回は以上です。
下記記事では、「プライドの高いクライアントは、機会損失を招く」「これまで出会った残念なモンスタークライアントたちが教えてくれたこと」について、お話しています。
コミュニケーションコストを増やさないためにも、決済権のない人との打ち合わせは減らすべきです。
下記記事でも解説していますので、参考にどうぞ。