Photoshopには「クイックマスクモード」と呼ばれる、加工・編集したい箇所としたくない箇所を可視化して保護する便利な機能があります。
「選択範囲ってなに?」
「選択系ツールを使ったことない」
という方は、下記の記事を読んでから、本記事を読んでいただくことをオススメします。
上記の記事でも説明していますが、
選択系ツールで作成した選択範囲は、点滅する破線で表示されていました。
今回は、「クイックマスクモード」というとても便利な機能を使用して、選択範囲を作成していきます。
このマスク機能は、選択範囲を可視化して、「選択系ツール」や「ブラシツール」と併用して、さらに細かく選択範囲を調整することが可能です。
マスターすると、キレイに選択範囲を作成できて、画像加工や切り取りができるようになります。
初めて「クイックマスクモード」を使用するという方は、基本的な使い方をご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
マスクってなに?
クイックマスクモードの「クイック」は、「素早く」といった意味があるので、想像つきやすいかと思います。
「マスク」というのは、「覆う」「隠す」というようなことを意味する単語です。
Photoshopの「クイックマスクモード」は、編集したい箇所と、編集したくない(保護したい)箇所を区別することができます。
それぞれの箇所を可視化して区別することで、編集したくない箇所を保護して、編集したい箇所のみを編集できるようになります。
言葉で説明しても分かりづらいので、さっそく実例で説明してまいります。
最初にざっくり選択範囲を作成
まずは編集したい画像を開きます。
本記事では、下記の画像のカップの部分だけ選択範囲を作成したいと思います。

流れとしては、最初から「クイックマスクモード」を使用するのではなく、
1. 選択系ツールでざっくり選択範囲を作成する
2.「クイックマスクモード」を使用して、さらに細かく選択範囲を調整する
という感じで選択範囲を作成したいと思います。
今回は、ツールパネルにある「マグネット選択ツール」を使用します。
「マグネット選択ツール」は、画像の輪郭に沿ってなぞるようにドラッグするだけで、
画像のコントラストを自動で判別して、マグネットのように吸着して選択範囲をキレイに作成してくれるツールです。

このツールを使って、カップのラインに沿ってドラッグしていきます。
使い方
「マグネット選択ツール」の使い方は、
1. 輪郭部分で始点を決めてクリックする
2. 輪郭上をなぞるようにして、ドラッグする
3. 輪郭上を一周して始点に戻る
4. 始点に戻ると、カーソルの右下に小さな〇マークがつくので、クリック
5. 一周したラインで選択範囲が作成される!
上記手順でドラッグすると、下図のようにカップの輪郭に沿ったラインが引けるはずです。
このとき、多少はみ出したりしても問題ないので気にしないでください。
※この後に紹介するクイックマスクモードでキレイに選択範囲を調整できます。

選択範囲が作成されました。
しかしよく見ると、カップの輪郭からはみ出したり、取っ手の空いている部分が選択されてしまっています。

クイックマスクモードで選択範囲を調整
ここからが本題です。
「クイックマスクモード」というマスク機能使用して、選択範囲を調整していきます。
ツールパネルから「クイックマスクモード」を選択しましょう。

「クイックマスクモード」中にすると、選択範囲以外の箇所はすべて赤く表示されます。
この赤く表示されている状態をマスクされた(隠された)状態と呼びます。

上図の赤矢印の部分などはみ出ているところもあるので、このクイックマスクモードを使用して、選択範囲を調整したいと思います。
ここで使うツールが、「ブラシツール」です。

簡単にブラシツールの使い方も紹介しますが、詳しい使い方は下記記事を参考にしてください。
描画色の設定や、作業のやり直しなども使うので、わからない方は下記記事を読んで、必ず覚えておきましょう。
ブラシのサイズ(直径)や形状はオプションバーで指定します。
ブラシのサイズは、修正する箇所の細かさによって、サイズを変えるので、最初は大きめのサイズで構いません。
描画色の設定は、ツールパネルで指定できます。
クイックマスクモードの場合は、黒か白しか使わないので、
「描画色と背景色を初期設定に戻す」ボタンをクリックしておくと、描画色を「黒」に戻してくれます。
ショートカットは、Dです

設定ができたら、修正したい選択範囲のエリアを拡大して、調整していきましょう。
下図は取っ手の部分を修正しています。
マスクしたい箇所は、描画色を「黒」で塗っていきます。
塗っていくと、ややこしいですが、赤く塗られているはずです。

画面を拡大・縮小しつつ、細かな箇所はブラシのサイズを変えて、塗りましょう。
覚えようショートカット
ブラシのサイズ(直径)を変えるショートカットは、効率よく色を塗りつぶすときに使えるので、覚えておきましょう。
Macの場合
大きくする → ]
小さくする → [
Windowsの場合
大きくする → ]
小さくする → [
ブラシの使い方を解説する記事でも説明してますので、ご参考ください。
作業中に間違えて、選択範囲にしたい箇所を描画色「黒」色で塗ってしまうことがよくあります。
「黒」で塗ってしまうと、マスクされてしまう(選択範囲外になる)ので、注意してください。
もし間違って塗ってしまった場合は慌てず作業をやり直す、
もしくは描画色を「白」色に変更して、塗り直しましょう。
「白」で塗ると、選択範囲として反映されます。
描画色と背景色の設定が初期設定の場合は、背景色が「白」になっています。
ツールパネルのカラーボックスの上にある「描画色と背景色を入れ替え」ボタンをクリックすると、
描画色が「白」、背景色が「黒」に入れ替わります。
ショートカットは、Xなので、覚えてしまいましょう。

覚えようショートカット
操作の取り消し・やり直しのショートカットは、よく使うので覚えておきましょう。
Macの場合
⌘(command)+Z
Windowsの場合
Ctrl+Z
覚えようショートカット
描画色と背景色を初期設定に戻すショートカットは、D
描画色と背景色を入れ替えるショートカットは、X
クイックマスクモードで選択範囲の調整ができたら、「クイックマスクモードで編集」ボタンを再度クリックして、モードを解除しましょう。
解除すると、選択範囲が点滅破線で表示されました。

Before、Afterでみると、一目瞭然です。
「クイックマスクモード」は、細かな選択範囲の調整をするときに便利なので、使いこなしてみてください。
まとめ
この記事のまとめ
- 「クイックマスクモード」は、選択範囲を色で区別して、表示できる機能
- 「クイックマスクモード」中にすると、選択範囲以外の箇所はすべて赤く表示される
- マスクしたい箇所は描画色を「黒」、マスクしたくない箇所は「白」で塗る
- 描画色と背景色を初期設定に戻すショートカットはD、
描画色と背景色を入れ替えるショートカットは、X